入社時には、いくつかの書類を提出してもらうことが一般的ですが、最近は、個人情報に敏感な方も増えています。
採用選考時には、厚生労働省からの「採用のためのチェックポイント」で示されているように、応募者の基本的人権を尊重し、適性や能力のみを基準としなければなりませんから、戸籍謄(抄)本や住民票(写)を提出させることはできません。
しかし、採用後にこれらの書類の提出を求めることは、法令で禁止されているわけではありません。扶養家族であれば健康保険上の扶養認定に情報が必要ですし、家族の慶弔時の諸手続や、本人に連絡がとれず行方不明となってしまったような「万が一」の事態にも、これらの書類が必要となります。
ただ、本籍や出生地に関することや家族に関すること、住宅状況や生活環境・家庭環境などに関すること等が記載された書類は、本人の能力に無関係なこれらの情報をもとに、社内での差別を生むという可能性もあります。
提出を求める書類については、必要となる適正な雇用管理の目的にのみ使用することを明示しておかれるとよいでしょう。
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| *連載* 最終回 |
| あなたの会社の就業規則…労務管理ツールとして役立っていますか? |
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【今日の事例】
ある日、従業員の一人と雑談をしていたところ、子供が大学を卒業していることが分かった。この従業員には子供を対象とする扶養手当8,000円がついているので、1年分過払いしていた!と思うので、返金してもらうことにした。
【就業規則上は?】
第○条(家族手当)
家族手当は、次の家族を扶養している従業員に対して支給する。
(1)配偶者 月10,000円
(2)子 月 8,000円
(3)その他の扶養 月 5,000円
【このままではトラブル発生!】
結論を言うと、この規定の仕方では返金してもらうことはできません。
会社としては、学生ではなくなった時点で扶養家族ではない、そして、従業員からの申告もなかったので支給家族手当は「不当」に利益を得ていたのだから返してもらって当然!といったところと思います。
しかし、労働基準法上「扶養とは何か?」という定義はありません。よって、各会社において具体的な定義を明確にしておかなければこのような無用なトラブルを招くことになります。
また、事例のように、従業員から返金を求めたい場合にも、この規定のままでは混乱が予想されます。
賃金は労働契約の根幹ですし、センシティブな部分でもあります。家族手当に限らず、全ての諸手当につき、言葉の定義や支給方法が明確にされているか見直してみる必要があるでしょう。
ちょっとした思い違いが大きなトラブルを作ります!就業規則を隅々まで見直し、労務管理ツールとして最大限利用しましょう! |
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